地域と土壌について
マイン川沿いにあるぶどう畑
フランケン地方はバイエルン州の北端にあり、南北にロマンティック街道が通っている風光明媚な観光名所としても知られています。
ワイン産地は北はローン山脈、東はシュタイガーヴァルト山地、南はタウバー渓谷、西はシュペッサート山地が境界となっています。
全てのぶどう畑がマイン川かその支流流域の斜面にあります。
土壌と気候
シュトリッツィンガー家の畑は、クリンゲンベルクのシュロスベルク畑とビュルクシュタットのセントグラーフェンベルク畑にあり、土壌は斑砂岩質です。この地域の土壌は古代の三畳紀の海から堆積してできあがるまでに、約6万年の年月がかかっています。
気候は大陸性気候で、乾燥した温暖な夏と寒い冬が特徴的です。年間降水量が500~600mと少なく、ぶどう栽培に最適な気候です。
フランケン地方の品種
ミュラー トゥルガウ、ジルヴァーナー、バッフス、リースリング、ドミナ、シュペートブルグンダーなどが栽培されています。白ワイン品種が全体の80%を占めていますが、最近は赤ワインの需要が増えてきており、温暖化の影響もあり赤ワイン用ぶどう品種の栽培面積が増えてきています。
ドイツワインはモノセパージュが基本
ドイツのワインはぶどうの品種ごとに醸造するモノセパージュ(単一品種)が基本です。
シュトリッツィンガー家でも基本的にモノセパージュワインを生産していますが、例外として戦前までよく造られていた20種類もの赤ワイン品種を混醸するスペシャルなワインも造っています。このワインは出来る数が100本から300本と大変少なく、入手困難なアイテムとなっています。
シュトリッツィンガー家について
歴史
アニアの父のヴィリは村営醸造所の醸造マイスターでしたが、1972年に小さな区画のぶどう畑を購入しました。もともと環境保護に関心が高かったため、1990年にビオラント指針に基づき、環境保全型農業へ変換しました。その後徐々に畑を買い足して、現在は1.5haまで拡がりました。
父の引退に伴い、2001年からは娘のアニアが主体となってワイナリーを営んでいます。
*ビオラント:1970年代から存在するドイツ最古で最大のオーガニック生産者団体。ヴィリはビオラントのアドバイザーも務めたパイオニア的存在。
シュトリッツィンガー家をお勧めする理由
わずか1.5haの畑から生まれる珠玉のワイン
現存する最古のテラス式ぶどう畑と石垣は12世紀につくられたもので、今日ではドイツ政府より文化財として保護されています。段々畑では大きな機械を使うことができないので、ほとんどが手作業となり大変な重労働です。
もともと手のかかるテラス式畑である上に、環境保全型の農法で栽培しているため、どうしてもぶどうの収穫量が減り、できるワインも少なくなってしまいますが、素晴らしい品質のワインであることは間違いありません。
また、この石垣は「静岡の石垣イチゴ」と同じ役割を果たしています。
山の斜面を利用して栽培するため、すべてのいちごに多く陽があたると同時に、石垣に熱が蓄積される。 そのため、夜間も根が冷やされることがなく、いちごが良く育つ。 この輻射熱のおかげで、他のハウス栽培とは異なり、暖房も使用せずにいちごを栽培することができ、環境にやさしいのが特徴。(共同通信サイトより)
80%が消費者への直接販売。海外で手に入るのは日本だけ!
多品種を栽培していますが量が少ないため、アイテムによっては100本、多いものでも1,000本しか生産することができません。しかもほとんどの商品は直接販売のため、国外に輸出しているのはなんと日本だけです。
高いのには理由があります
酵母の添加は一切せず、醸造で使用する樽もドイツ産にこだわっています。醸造時もポンプは使用せず、直接床の穴から下に落とす構造(グラビティフリー)になっています。
大変な重労働と沢山のこだわりから生まれるワインは、毎年メダルを受賞しており、ますます人気を集めています。
お勧めの赤ワイン/和食にもピッタリの軽やかな赤
野イチゴにハーブやスパイス、やや土の香りも。可愛らしい果実味に上品な酸味が心地よく広がります。フルーティで優しい飲み口ですが、深い味わいがじわじわと長い余韻として残ります。
素材を大切に丁寧につくられた和食と愉しみたい1本。
控えめな渋みなので、軽く冷やしても美味しくいただけます。
生産本数:1,300本
お勧めの白ワイン1/癒しのリースリング
ドイツの代表的な白ワイン品種「リースリング」を使用した白ワインです。青リンゴやナシ、ハーブの爽やかな香りに十分なミネラル感もあります。
優しく広がる果実味に洗練された酸味のバランスが素晴らしい、フレッシュで冷涼感溢れる高貴な仕上がりです。
ドイツワインが好きな方にはぜひともお試しいただきたい逸品です。
生産本数:1,000本
お勧めの白ワイン2/夏のための爽やかな白
ゲヴェルツトラミネールとリースリングをベースに地場品種のヨハニターをブレンドした夏のための白ワインです。
マスカット、白い花、グレープフルーツなどの香りが次々とあらわれ、味わいはフルーティで残糖分を感じるふくよかさがあります。
余韻にはレモンの皮のようなフレッシュなビター感も。
8~10℃に冷やしてお楽しみください。
生産本数:400本