ボジョレーヌーヴォー2025:ボワソー教授&塩澤悠コメント発表(2025.11.20)

MAVIE特約店各位

平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

フランスのボワソー教授から今年のボジョレーヌーヴォーのコメントが届きました。

【2025年はどんな年だったか】

気候変動により暑く乾燥した夏が続くことで、ぶどうの成熟が早く均一に進み、ボジョレーヌーヴォーにもこれまでにない、より骨格のある新たなスタイルが生まれています。

シュブラン家のボジョレーヌーヴォーは、気候の影響をそのまま受けた自然なぶどう栽培の結果であり、操作や人工的な処置、合成的な醸造補助を一切行っていません。

【シュブラン家のボジョレーヌーヴォー2025】

<外観>

美しい輝き。深いガーネット色にうっすらと紫色が混じる。

<香り>

ブラックベリーなどの黒い果実の香りにチェリーのアロマ。

<味わい>

心地よい口当たりの中にまろやかさもあり、ベルベットのような感触。酸のバランスが素晴らしい。

ヴィンテージ2025は、しっかりと果実味が感じられ、新酒としては長い余韻が楽しめる仕上がり。

<マリアージュ>

  • アペリティフに最適。気軽にピザと合わせても。
  • リヨン料理(ウフ・ムーレット、白身魚のソテー、リヨン風ソーセージなど)
  • 白カビタイプの柔らかいチーズ(カマンベール、ブリなど)
  • 和食(焼き鳥、鶏の照り焼き、しゃぶしゃぶなど)

ジェラール ボワソー=デシュアール氏

フランスの名門料理学校エコール フェランディなどにて、レストラン経営学ならびにワイン醸造学の教授を25年以上歴任。マヴィ創業の1998年に自身が経営するワイン商社JAPEXBIOを設立。以来、当社のワインセレクトに欠かすことのできない、素晴らしいパートナー。これまでソムリエコンクールの審査員としても数多く来日し、40回を数える。大の親日家で、日本食とワインの相性にも精通した専門家。
お気に入りの和食は「お好み焼き」。


塩澤悠のテイスティングコメント

<外観>

輝きのあるルビー。透明感が高く、若いヴィンテージらしいみずみずしい色調を示す。

<香り>

フレッシュなラズベリー、グリオットチェリー(酸味のある小さなさくらんぼ)、ワイルドストロベリーなどのピュアな赤系果実が前面に出る。

続いて、マセラシオン・カルボニック製法由来のバナナやメロンの軽やかなエステル香が繊細に重なり、軽いグリーンノートやハーバルなニュアンスがアクセントを添える。

第一アロマ(*)主体ながら、香りのレイヤーが明確で、若々しさの中に複雑性が感じられる。

*第一アロマ:ぶどう本来が持つ香り。(第二アロマ:発酵や醸造の過程で生まれる香り/第三アロマ:熟成によって生まれる香り)

<味わい>

最初に感じるのは、シャープでドライな口当たり。

アルコール度数12%と軽快だが、抽出は非常にコントロールされており、きめ細かいタンニンがワイン全体を端正にまとめている。

酸はまっすぐで張りがあり、余韻にかけて持続する線の細い美しい酸質が印象的。

香りで感じた赤果実のニュアンスがストレートに味わいにも反映され、ラズベリーやクランベリーの弾けるような果実味に、後半からメロンやバナナの柔らかな甘香が広がる。

多彩なアロマを呈しながらも構造が崩れず、極めてバランスの良い仕上がり。

余韻は中程度から中程度+。

果実と酸の調和がほどよく続き、清潔感のある締めくくり。

全体として、2024年のアロマティックなフレッシュさとフルーティさを控えめにしつつ、23年の骨格や芯の強さをわずかに思わせるスタイルで、両年の良い部分が引き出された仕上がりといえる。