地域と土壌について
フランス国内で最大の高級ワイン産地
ボルドー地方はフランス西部に位置し、世界的に有名なワイン産地として知られています。
海に近い比較的低い場所ですが、温暖な海洋性気候と、水捌けの良い土壌、南西に広がるランド地方の松林が大西洋の海風を遮ってくれるおかげで、ぶどう栽培が可能です。
イギリスの影響が強いボルドー
ボルドーには東から流れてくるドルドーニュ川と、南から流れてくるガロンヌ川の2本の大河があり、これらがボルドー市の近くで合流してジロンド川になって大西洋に注いでいます。このジロンド川の川幅は広いところでは10㎞を超える程広く、この川をまたぐ橋はありません。河口から90㎞も遡ったボルドー市でも潮の満ち引きがあり、大きな貨物船が航行できます。
ボルドーは大西洋に面した天然の良港として発展し、中世ではフランスにありながらイギリスが支配する海の拠点でした。ドルドーニュ川とガロンヌ川上流の南西フランス地方やスペイン、ポルトガルで生産されたワインは、まずボルドーの倉庫に集められてイギリスや北ヨーロッパに向けて大量に船積みされていました。
近世以降、ボルドーワインはイギリスの世界発展と共に世界中のイギリス支配地域に向け輸出されて、不動の地位を築きました。
*ボルドー産AOPワインのぶどう栽培面積:11万1150ha(2015年データ)
アントル ドゥ メール地区
ピヴァ家はボルドーの南東部アントル ドゥ メール地区に位置しています。
「アントル ドゥ メール」は仏語で「2つの海の間」という意味です。ガロンヌ川とドルドーニュ川の2本の大河に囲まれる地区のため、川を海に見立てて名付けられました。
ここは太古は海の底で、沖積堆積物が作った粘土珪土質土壌はカルシウムが豊富、あちこちで牡蠣殻の化石が作った地層が露呈しています。ここからミネラル感のあるワインが生まれます。特にキレのいい白ワインに向いています。
ボルドーの品種
ボルドーで栽培している主な品種は次の通りです。
メルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル
世界各国で人気のある品種が主ですが、マルベックやプチヴェルドー、ソーヴィニヨングリ、コロンバールやユニブランなども少量ですが栽培しています。
ボルドーはアッサンブラージュが基本
ボルドーワインの特徴は、何といってもアッサンブラージュ(調合)です。
異なった品種を組み合わせることによってエレガントで複雑味のあるワインに仕上がります。
ピヴァ家について
歴史
ピヴァ家はイタリアのベネト州で代々続いたワイン農家でしたが、1924年にアントル ドゥ メールに移り住みました。
その後1961年にシャトー プショー ラルケを購入して成功を収め、1989年に国の指定文化遺産に指定されているシャトー デ セニャール ド ポミエを購入しました。このため2つのシャトー名でワインを造っています。
ピヴァ家は当初からずっとオーガニック農業を続けてきましたが、1984年に公式に認証を取得しました。
2つのシャトーはどう違う?
シャトー プショー ラルケ
ピヴァ家が最初に購入した「シャトー プショー ラルケ」は丘の上にあり、表層が粘土珪土質で深層部は粘土質です。カベルネソーヴィニヨンの栽培に向いている土壌です。
37001ボルドー赤はカベルネソーヴィニヨンの割合が多くメルローとブレンド、しっかりとした味わいに仕上がっています。37002ボルドー(アントル ドゥ メール)白はソーヴィニヨンブランを主体にセミヨンとミュスカデルをブレンドしたミネラル感のある骨太の辛口白ワインです。
シャトー デ セニャール ド ポミエ
後ほど購入した「シャトー デ セニャール ド ポミエ」は13世紀にエドワード2世が建てた正真正銘のお城です。ラルケから車で5分ほど離れた場所にあり、表層が粘土砂で深層部は岩の多い粘土砂質です。メルローの栽培に向いている土壌です。
37003ボルドー 赤はメルローの割合が多くカベルネソーヴィニヨンをブレンド、やや柔らかな味わいに仕上がっています。37006ボルドー(アントル ドゥ メール)白はソーヴィニヨン グリを主体にセミヨンがブレンドされており、程よいミネラル感もある瑞々しい印象の辛口白ワインです。
ピヴァ家をお勧めする理由
ボルドーなのに樽を使わない!信念のある造り方
「樽を使うとどれも同じ味になり、その土地の個性を見えなくしてしまうようで気に入らない」という前当主のジャン=リュック。
ボルドーといえば樽を使った赤ワインのイメージが強いですが、ぶどう本来の味わいを大切にしているため、あえて樽を使用しません。ぶどうの種まで完熟してから収穫するため、樽を使わなくてもふくよかな赤ワインに仕上がります。
貝類におすすめ:アントル ドゥ メール
アントル ドゥ メールはミネラル感のある白ワインが生まれる産地として知られていますが、本当に貝類との相性が抜群だと実感できる白ワインです。今日は貝類が食べたいと思ったときには一押しのワインです。
過去にバリューボルドーに選ばれた際は、選考委員のソムリエの方から「ポテトチップスのりしお味」も良く合いそうだとお勧めされました。海の要素が入っている一皿とぜひ一緒にお楽しみください。(例:牡蠣、はまぐり、あさり、あおさ、わかめなどの食材)
誰もが知っている銘醸地のワインを贈りたいときに
ボルドーと聞いて、ワインを思い浮かべない方はいらっしゃらないかもしれません。ワインが詳しい方でもそうでない方にも、高級感溢れるクラシックなラベルのオーガニックワインは贈り物として喜んでいただけること間違いなしです。
本格フレンチにはプショー ラルケ
シャトー プショー ラルケは赤も白も力強く、ソースをを作り込んだ本格的フレンチともつり合いが取れます。王道のボルドーワインです。
ビストロフレンチにはセニャール ド ポミエ
シャトー デ セニャール ド ポミエ赤は柔らかな味わい、白はシャープでキレの良さが特徴で、同じフレンチでも、本格的なソースではなく、あっさりとしたビストロ料理や日本的な優しいフレンチにおすすめです。
和食にはセニャール ド ポミエ
ピヴァ家と言えば、マヴィオリジナルワイン「干支ワイン」の生産者としてもご存じのことと思いますが、ピヴァさんの造るワインは赤も白も日本の食卓にぴったりの味わいです。
特にシャトー デ セニャール ド ポミエは赤も白も柔らかな味わいで、洋食だけではなく和食と合わせやすいのが特徴です。赤ワインは 鰻のかば焼きや焼き鳥(タレ)、白ワインは白身魚の蒸し煮やひじきの煮物などとの相性が良いので、ぜひお試しください。
お勧めのスパークリング/受賞歴多数のふくよかな泡
ふくよかな果実の味わいと爽やかなハーブの香りを楽しんでいただける、一押しのスパークリングワインです。
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のトラディショナル製法で醸造しています。
以前はセミヨン100%で造っていましたが、数年前からソーヴィニヨン グリが加わったことにより、深みとキレの良さを併せ持ち、一段と美味しくなりました。
現行ヴィンテージの2018年はフランスのワイン雑誌Terre de Vins2021ワインコンクールで金メダルを受賞!
お勧めの白ワイン/魚介類と決めた日に選びたい
ソーヴィニヨン グリのフレッシュなグレープフルーツの香りにハーブのニュアンスとミネラル感が加わり、味わいと瑞々しさのバランスが秀逸です。
魚料理は勿論のこと、甲殻類や貝類を使った料理との相性がとても良い白ワインです。
お勧めの赤ワイン/正統派フレンチから和食まで
メルローが主体のミディアムボディタイプです。穏やかな渋みがワインに溶け込み、シルクのような口当たりです。凝縮した果実味に黒こしょう、藁、ヒノキやナツメグなどの様々なスパイスが香りに広がりを持たせてくれます。
正統派フレンチから照り焼きなどの甘辛いお料理にも合う、幅広くお料理と楽しめる赤ワインです。
ピヴァ家の商品一覧