フランス・ジュランソン地方 新生産者のご案内(2025.03.03)

MAVIE特約店各位

2024年の夏、ボワソー教授と代表田村がコロナ禍明けに初めて、新たなオーガニックワイン生産者を探す旅に出かけました。

選んだ地域は、新しい可能性が詰まった産地「ジュランソン」。

<左:ボワソー教授の娘セリーヌ、中央:ボワソー教授、右:生産者のマリーヌさん>

ボワソー教授が見つけた生産者は、ワイン農家として400年の歴史があるソボ家です。

父ピエールと娘のマリーヌが「これからもソボ家の歴史が続くように」と選んだ農法が、オーガニックでした。

辛口から甘口までバラエティ豊かな白ワインを造っており、代表田村とボワソー教授が試飲した結果、5種類の商品を取り扱うことが決定いたしました。

南西フランス・ジュランソン地方の固有品種「グロ マンサン」と「プティ マンサン」を主体としたワインはボリューム感のある仕上がりで、みりんや砂糖を使う日本食ともぜひお試しいただきたい白ワインです。

ピレネー山麓の銘醸地「ジュランソン」の魅力が詰まったワインを、ぜひお客様にご紹介ください。

74001 グロマンサン セック

~バランスと凝縮感が魅力の辛口白ワイン~

テクニカルシート

  • 品種:グロマンサン
  • ヴィンテージ:2020年(オーガニック転換中)
  • 残糖量:2g/L
  • タイプ:白ワイン(辛口)
  • アルコール度数:12.5%
  • 醸造:ステンレスタンク
  • 現地呼称:AOP Jurançon

テイスティングコメント(塩澤悠-WSET Diploma)

淡い黄色の外観が透明感と輝きを放ち、美しく印象的。香りはグレープフルーツやレモンコンポート、オレンジピールといった柑橘系の爽やかなアロマを中心に、アカシアの花の華やかで上品な香りが広がる。さらに、花梨やピーチの穏やかな果実感に、ミネラルのニュアンスが加わり、複雑で奥行きのある香りを感じさせる。

口に含むと、落ち着いた酸味がじんわりと広がり、口内を心地よく包み込む。ボリューム感は中程度ながら、フレーバーには凝縮感があり、豊かな味わいが印象的。酸味と果実味のバランスが見事で、全体的にリッチで調和が取れた味わいを楽しめる。しっかりとした余韻が長く続き、飲み終わった後にも満足感が余韻として残る。

74002サンサシオン

~白い花と柑橘が奏でるジュランソンの魅力~

テクニカルシート

  • 品種:グロマンサン60%、プティクルビュ20%、、プティマンサン20%
  • ヴィンテージ:2022年
  • 残糖量:2g/L
  • タイプ:白ワイン(辛口)
  • アルコール度数:14%
  • 醸造:ステンレスタンク
  • 現地呼称:AOP Jurançon

テイスティングコメント(塩澤悠-WSET Diploma)

淡い黄金色。透明感があり、輝きのある色調。

レモンピールやライムの爽やかな柑橘系の香りに加え、熟したリンゴや白い花の華やかさが広がる。さらに、ドライリーフやハーブのニュアンスが複雑さを与えている。

アタックは穏やかだが、後からじわじわと広がる心地よい酸味が印象的。アルコール度数が13%と高めで、ボリューム感があるが、ややアルコールの存在が強く感じられる場面も。フレッシュな柑橘系のフレーバーが中心にあり、後半にかけてミネラル感とフェンネルのようなスパイシーさが舌を引き締める。

全体として、バランスの良い酸味と複雑な香りが際立ち、軽やかさと深みを兼ね備えた味わい。食事と合わせることでさらにその魅力が引き立つワイン。

74003グロマンサン モワルー

~上品な果実味と酸味が調和した洗練の白ワイン~

テクニカルシート

  • 品種:グロマンサン
  • ヴィンテージ:NV(オーガニック転換中)
  • 残糖量:20g/L
  • タイプ:白ワイン(やや辛口)
  • アルコール度数:12.5%
  • 醸造:ステンレスタンク
  • 現地呼称:VIN DE FRANCE

テイスティングコメント(塩澤悠-WSET Diploma)

輝きのある淡い黄色。緑がかった色調が爽やかさを強調する。

柑橘類(グレープフルーツ、レモン)のフレッシュな香りに、白い果実(桃、洋梨)やエキゾチックな果実(マンゴー)のニュアンスが広がる。アカシアやハニーサックルのような花の香りがアクセントとなり、微かなミネラル感やスモークなニュアンスも感じられる。

やや辛口らしい柔らかな甘みとフレッシュな酸味が絶妙に調和した味わい。口当たりは滑らかで、白い果実や花のニュアンスが広がり、甘みと酸味のバランスが取れた印象を与える。ミネラル感が複雑さを加え、余韻が長く続く。  グロ・マンサン主体のブレンドによる、果実味、酸味、甘みが調和した洗練された白ワイン。落ち着いた上品な甘さが、食前酒としても、食事と合わせても楽しめる汎用性の高さを感じさせる。

74004ル フリュイ

~エキゾチックな甘みと爽やかさが共存するジュランソン~

テクニカルシート

  • 品種:グロマンサン80%、プティマンサン20%
  • ヴィンテージ:2022年
  • 残糖量:54g/L
  • タイプ:白ワイン(やや甘口)
  • アルコール度数:12.5%
  • 醸造:ステンレスタンク
  • 現地呼称:AOP Jurançon

テイスティングコメント(塩澤悠-WSET Diploma)

淡い透明感のある黄色。光を受けると微かに緑がかった反射が見られる。

香りは非常にエキゾチックで、マンゴーやパイナップルといったトロピカルフルーツ、白い果実(梨や白桃)のニュアンスが豊かに広がる。また、蜂蜜やアカシアの花のような甘美な香りがアクセントを加え、上品さを引き立てる。

口に含むと、繊細でありながらダイナミックな味わいが広がる。酸味と糖度のバランスが絶妙で、爽やかなフレッシュ感とともに、熟した果実の甘みが滑らかに続く。フィニッシュは長く、余韻にはハチミツや白い花のニュアンスが感じられ、美味しさが際立つ。

74005ロンヴィ

~熟成も楽しめるプレミアム甘口白ワイン~

テクニカルシート

  • 品種:プティマンサン
  • ヴィンテージ:2022年
  • 残糖量:86g/L
  • タイプ:白ワイン(甘口)
  • アルコール度数:12.5%
  • 醸造:ステンレスタンク
  • 現地呼称:AOP Jurançon

テイスティングコメント(塩澤悠-WSET Diploma)

輝く黄金の反射を伴う濃いイエロー。クリアで美しい透明感があり、グラスの中で光を受けて輝きを放つ。

非常に複雑で魅力的なアロマが広がる。熟したアプリコットやネクタリン、マンゴーやライチといったエキゾチックフルーツ、さらにパッションフルーツやパイナップルの鮮やかな香り。ほのかに漂うハチミツと柑橘類のニュアンスが、全体の香りを引き締めている。

甘みと爽やかな酸味が絶妙なバランスを保つ。凝縮感のある果実味が口中に広がり、特にオレンジやシトラスの風味が際立つ。しっかりとした酸味が心地よい甘さを引き立て、軽やかさを加える。非常に長い余韻が続き、エレガントで印象的。

このワインは、甘口の白ワインの完成形ともいえる仕上がり。エキゾチックフルーツと柑橘類のアロマが調和し、甘みと酸味が織り成す絶妙なハーモニーが楽しめる。デザート、特に黄色い果実を使ったタルトやムースと素晴らしくマッチする。また、そのままでも非常に楽しめる、特別な一本。6~7年の熟成も期待できる。

ソボ家紹介

<娘のマリーヌ>

ソボ家が所有するDomaine du CINQUAU(ドメーヌ デュ サンコー)は南西フランス・ジュランソン地方にある400年の歴史があるワイナリーです。

自然のバランスを尊重し、土地の特徴が十分に表現されるようにするため、また環境に配慮した製品を求めるお客様の期待に応えるために、2019年からオーガニック農業に転換し、2022年に認証を取得しました。

オーガニック農法を選択したことは、長く続くワイン農家としての集大成であり、より天候に左右されるぶどう栽培との新しい関係であり、自分たちの価値観と一致していると感じています。

テロワールと気候

「ナポリが世界で最も美しい海の景色であるように、ポーは世界で最も美しい陸の景色です」。1838年、詩人のアルフォンス ド ラ マルティーヌは、目の前に広がるジュランソンの景色に魅了されました。

ピレネー山脈を背にしたジュランソン地方は、山から降りてくる風の厳しさと春の霜の危険性のため、高度な仕立て(高さ2.5メートルの垣根)が必要となります。

その一方で降水量のバランスが良い穏やかな海洋性気候の影響もあり、調和のとれた成長が進みます。

特に秋にフェーン現象で暑く乾燥した風が南から吹き込むため、ぶどうを過熟させて遅い収穫を可能にするパスリヤージュ(ぶどうの過熟)が促進されます。

ぶどうの木はローマ時代にすでに存在していたことが証明されており、ジュランソン地方は何世紀にも渡ってワインを生産していた地域のひとつとして知られています。

また、フランス国王アンリ4世が生まれた際に、精神と肉体を強くするという理由でジュランソンのワインを数滴飲ませたという言い伝えがあり、「王のワイン」とも呼ばれています。

栽培品種と割合

グロ マンサン42%、プティ マンサン34%、プティ クルビュ6%、カベルネフラン5%、ローゼット2.8%、カマラレ2.4%、フロレアルとヴォルティス2%、マンサン ノワール2%、モンドューズノワール2%、メルロー1.5%、タナ0.3%

醸造

<父のピエール・ソボ氏>

温度管理ができるステンレスタンクで個別に醸造。

熟成

香りをつけるためではなく、まろやかな味わいにする目的で目の詰まったアカシアの樽を使用。