マヴィ代表の田村 安です。
現在オーガニックワイン講座地方編のプレゼンを見直しているのですが、最近の気候が随分変わってきていると感じ、データを取り直してみることにしました。
大都市だけでなく、小都市の気象データも入手できるWorld Weather Onlineという気象情報サイトでは、2009年以降の月別気象データが閲覧できます。
残念ながらダウンロードできないので、手作業でExcelに移してワイン産地の気候表をコツコツと作っているのですが、毎年の傾向があまりに違うことに唖然となりました。
ボジョレーヌーボー解禁が近づくと、毎年風物詩のように「今年のボジョレーは最高の出来!」というニュースが流れます。
本当でしょうか?
農作物であるぶどうの出来はその年の天候に左右されますので、数字から検証してみることにしました。
これはボジョレーの中心地Villefranche-Sur-Saoneの気象データのグラフです。
青の破線は2013年~2017年の平均です。
ぶどうが育つ夏の平均最高気温が5年平均を超えたのは2015年、2017年、2018年です。
また、2017年は一番暑いはずの7月より8月が暑かったことがわかります。
2014年7月はなんと22℃。2015年より7℃も低く、とても寒い夏だったのがわかります。
2017年4月の平均最低気温は2℃と異常に低いのですが、大寒波のため霜害で全滅に近い被害が出ています。2017年は夏場暑くても不作年となったのはこのためです。
今年8月平均最高気温27℃、平均最低気温17℃と朝晩で10℃もの差があり、2015年8月は27℃と19℃で8℃の差なので、今年の方が2015年より、よく乾いた好天が続いたことがわかります。
雨と湿気も農作物に大きな影響を与えます。
2014年7月は雨が多く病害が蔓延しました。
2017年と2018年8月の雨は高温による雷雨が頻発したことを表します。
雷雨は雹害をもたらしますが、局地的なので運が悪いと全滅ですが、隣の畑は被害なしということもよくあります。
2015年は9月に雨が多く収穫時に悪影響が出たところもあります。
今年の9月は乾いた好天が続き、素晴らしい状況で仕込みが行われました。
今年のデータを読むと、雹の被害さえ受けなければ、過去5年間で最高の出来を期待できそうです。