62シャペル家 ヴィンテージ詳細(2024.04.01)

MAVIE特約店各位

シャペル家のヴィンテージごとの特徴を下記にご案内いたします。

お客様へお勧めする際にご参考にしていただければ幸いです。

シャペル家商品の現行ヴィンテージ一覧表

商品番号商品名現行ヴィンテージ
62000ブルゴーニュ 赤(ドメーヌ シャペル)2021
62100サントネ― 赤(ドメーヌ シャペル)2019
62200サントネ― プルミエクリュ ラ コム 赤2017
62400シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ モルジョー 赤2019
62800アロース コルトン プルミエクリュ レ プティット ロリエール 赤2020
62900ラドワ レヴリ 赤2021
63000ブルゴーニュ シャルドネ(ドメーヌ シャペル)2020→2022
63001ブルゴーニュ アリゴテ(ドメーヌ シャペル)2020
63100サントネ― 白2022
63400シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ モルジョー 白2021→2022
63500ムルソー レ マルポワリエ 白2021→2022

各ヴィンテージの概要

<2017年>

<天候>

平年と比べて早い、4月に初芽が出始めた。ここ数年間不作が続いたため、私達は自然の恵みを期待していた。4月27日から29日にかけて、2~3区画で霜の被害があり、葉や若い株が少し被害を被ったが、それ以上は何もなかった。

6月最初の3週間は熱波の時期に入り、午後の日差しで畑の気温は45℃に達した。7月下旬の15日間は、この季節にしてはどんよりとした時には涼しい気候で、生育のリズムも少し遅れていた。8月はかなり乾燥した状態が続き、少量の雨にも関わらず房が育ち、果粒の重さは平均以上となった。

ほとんどの畑では、完熟までに時間がかかり、収穫は9月上旬となった。私たちのぶどう畑はどこも状態が良く整っていた。

<収穫>

9月2日から収穫を開始。9月4日から12日間(9月14日の雷雨を除く)、変わりやすい天候の中30人ほどのメンバーで行った。

ワイナリーに運ばれたぶどうは理想的な天候に恵まれたお蔭で、とても良い状態であった。ここ数年間は収量が減っていたが、2017年は桶をいっぱいにすることができた。

<テイスティングノート>

ピノノワールは厚い果皮と豊かなボディを蓄え、(*)ピジャージュにより、非常に良い抽出をすることが出来た。色は強く、タンニンはこなれてきて、果実味に満ちています。

(*)ピジャージュ:発酵中に櫂(長い棒のようなもの)で上部に浮いた果帽を液体に混ぜること。

<2018年>

<天候>

6月前半の2週間は雨が多く、後半は天気が回復して良い状態で畑の作業を行うことができた。予定よりも2週間早く、6月上旬に芽かきを終えた。

7月中旬に雹の嵐がコート・ド・ニュイを襲った。少し雨が足りなかったせいか、サントネーやシャサーニュ・モンラッシェでは色づきが遅くなった。区画によってぶどうの実の生育に差が出て、収穫時期を予測することが難しかった。

8月第1週は記録的な暑さとなり、第2週からは平年並みの気温に戻った。気温は下がったものの、雨不足が続いた。

<収穫>

8月29日から12日間かけて(9月6日の暴風雨を除いて)25名のメンバーで収穫を行い、9月9日に全て終了した。太陽の光をたっぷりと浴びた、理想的な熟し具合の糖度が高いぶどうを収穫することができた。

<テイスティングノート>

素晴らしい状態のぶどうから、グランヴァン(良年の特に優れたワイン)を造るために私達は全力を注いだ。白ワインは量・質ともに非常に優れており、赤ワインも大変満足な仕上がりとなった。

<2019年>

<天候>

4月5日と14日の霜の影響を受け、シャサーニュとラドワ、ピュリニーの下手にあるブルゴーニュ赤の区画で最低気温-3℃~-4℃を記録した。ところが4月末には最高気温25℃という暖かさを記録、一気にぶどうの樹が育って状況は完全に変化した。ただ同区画内の同じ樹でも、生育状態に差が出る現象が見られ、これが2019年の特徴ともいえる「不均さ」の基となった。

6月初旬にクロ・デ・コルニエールの畑で開花が始まったが、満開となる6月中旬に寒さが戻ってきた。そして7月になると、高温で風が強い状況が続き、雨不足となった。40℃という極端な気温と乾燥した状態が相まって、ぶどうにはやけどのような被害が発生した。7月最後の週末に雨が降ったが、ラドワで73mm、サントネーでわずか6mmと大きな差があった。

8月から9月初旬にかけての猛暑により、雨不足が続いてぶどうの樹にストレスがかかったが、ぶどうの生育は続いた。そこでぶどうの熟し具合に合わせて、収穫時期を早めることにした。

<収穫>

9月11日に開始、サントネーから、シャサーニュ・モンラッシェ、ムルソー、ポマール、アロース・コルトンまでの順で、16ヘクタールの畑を25~27名のチームが炎天下の中10日間かけて収穫した。

<テイスティングノート>

2018年同様、理想的な成熟具合の糖度が高いぶどうを収穫することができた。醸造時に発酵と醸しのスピードをコントロールすることで、抽出を最大にしつつも過剰にならないように気を付けた。

これまでで最も暑かった2003年に比べると2019年は猛暑日が少なかったため、ぶどうは酸を保ちつつ、赤・白ともに長期保存型のワインを期待することができた。

唯一の欠点は、量が本当に少ないこと。素晴らしい2019年ヴィンテージは限られた人にしか届かないだろう。

<2020年>

<天候>

前年秋から暖冬が続き、2月末にはすでにぶどうの生育が活性化する兆しが見られた。そして3月も暖かく、このヴィンテージは比較的早熟であることが決定的になった。

4月中旬には6月並みの最高気温と日照量により、季節外れともいえる生育が確認された。ボールペール地区のピノノワールは5~6枚の葉を広げており、シャルドネの生育は少し遅れていたが、予定より3週間も早く、芽かきを開始した。コロナウイルスの制約がある中でのチーム構成は簡単ではなかった。

2020年は今までに経験したことのないような「早生の年」と言えるだろう。

農林水産省の通知を参照すると、これほどの早さは80年間で6回しか指摘されていない。(2011、2007、1997、1981、1974、1961)

5月19日にピュリニー地区でピノノワールの開花が確認された。

6月前半の気温の低下により、特にシャルドネで花ぶるいの現象が見られた。

気温の上昇とともに、7月上旬に最初の結実を確認した。ただ7月中旬に雨不足による色づきの遅れや、8月上旬は一部で日焼けの発生が確認された。

収穫時期に関しては、8月15日始めるべきという意見もあれば、8月25日から27日まで待つべきという意見もあり、異なる見解で議論が進んだ。

息子のシモンは、収穫の開始を8月19日(水曜日)に設定した。当初は8月25日からと考えていたが、ここ数日の猛暑でピノノワールの生育が非常に早くなっていることから、フレッシュさとエレガンスさを保つためにより早く開始した。特にアロース・コルトンとラドワで発生した実の日焼けを考慮しなければならず、これらの区画では15~20%の収穫を失うことになった。サントネーとシャサーニュ・モンラッシェでは、この現象はあまり見られなかった。

総勢34名の収穫チームが水曜日の朝に集合し、11日間で16.5ヘクタールを終わらせた。今年は猛暑のため作業時間が短くなり、またコロナウイルスの規制がある中、休憩所や食事などの特別な配慮が必要となった。

2020年ヴィンテージは、制約、労働への障害、衛生上の義務など、コロナウイルスのヴィンテージとして確実に歴史に刻まれることだろう。そのような状況で生産されたワインを(*)「Millesime de guerre」と呼ぶ人もいる。

(*)guerre=戦争、和訳:戦争のヴィンテージ

しかし、昨年3月にシモンの娘ディアヌ(Diane)が誕生して以来、再び祖父となった私にとって2020年は永遠に新生と新しい命のヴィンテージとなった。

<テイスティングノート/赤ワイン>

強い色とニュアンスのある小さな果実のアロマ。最初からたっぷりとした味わいで、熟したタンニンが口中に留まる。フルーティでありながら、力強さも感じられるワイン。

<2021年>

<天候>

4月6日、7日、8日と霜が降り、いくつかの区画では-7℃を下回り、まるで冬霜のようだった。コロナ感染によるスタッフの不在や退職するメンバーが出てきたりと、人事的な状況は複雑化していた。

このような状況にも関わらず、私たちは5年間休ませていたCORNIERES(コルニエール)の区画に植え付けを始めた。栽培担当はファンとジャン・フランソワで、プロの植え付け職人についていくために、苗の準備と配分を行わなければならなかった。彼らは区画を横断し理想的な天候の中、植え付けを進めた。2日後、小雨が土を固め、苗に水を与えた。全てが完璧だった!

その後、曇りがちでとても涼しい春が続いた。樹の成長はゆるやかだったが、6月になって暑さが戻り爆発的に成長した。

この急速な成長は、私たちのチームを試練へと導いた。

天候の乱れによって、芽かきや(*)パリサージュが難しくなり、ベト病やうどんこ病に対する処置が複雑になった。シモンはそれぞれの処置の前に延々と刈り込み作業に明け暮れたが、病害対策へのプレッシャーは大きなものだった。

(*)パリサージュ:ぶどうの枝をワイヤーに固定する作業

6月中旬に満開となったが、暑さと短い日照時間のせいで、開花の期間はあっという間に終わった。霜の影響で生き残った樹は少ないかもしれないが、少なくとも全て実をつけるだろう!

7月末に22~25℃の気温と高い湿度が相まって、うどんこ病の強いプレッシャーを意識しなければならなかった。房がまだ不均一だったため、いくつかの果実は感染しやすい状態だった。

8月上旬、雨が続いた。

ここ数週間、雨の降らない日はなく、気温は夏としては非常に低い。(日中は17~18℃)

悪天候の中、シモンは畑での作業をやり遂げるために、不屈の精神を持たなければならなかった。

<収穫>

9月18日(土曜日)、明るい陽射しが降り注ぐ中、ベト病(乾燥したぶどうが多い)と腐敗の兆しがあった区画で収穫を始めた。私たちのチームはこのヴィンテージの壊滅的な状態をいち早く理解し、大活躍してくれた。

月曜日の午後、ワイナリーでの大規模な選果作業を見越して、最初の収穫はたった19名で行うことになった。シャサーニュ・モンラッシェ“モルジョー”での収穫は順調で、豊作とまではいかなかったものの、まずまずの出来だった。

湿っぽい始まりだったが、私たちは雨が降らないとても暑い気温の中、11日間の収穫を終えた。

作業は10月2日に終了した。10月の収穫は久しぶりだった。

<テイスティングノート>

ピノノワールは全て除梗で仕込んだ。マスト(もろみ)を疲れさせないために、ぶどうは短時間だが定期的なピジャージュと(*)ルモンタージュによって抽出される。

(*)ルモンタージュ:発酵容器の底にたまった液体をポンプを使って上部に戻し入れること。

現在のところ、これらの若いワインは非常にフルーティでフルボディであり、畑や区画によって構造が大きく異なる。

シャルドネは収穫後に速やかに圧搾する。デカンタージュの後、マストはアルコール発酵のための部屋に移されるが、この年の発酵は速かった。

現時点では、これらの若いワインはミネラリーでフレッシュな状態である。