MAVIE特約店各位
平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
シャペル家の来日に合わせまして、特別な商品を少量分けていただきました。
もともとの生産量が大変少なく、今まで取り扱ったことのない1級畑「BEAU REPAIRE(ボールペール)」の赤ワインです。
【シャペル家】(フランス ブルゴーニュ地方)
現当主のジャン=フランソワ シャペル氏
歴史
1893年にサントネ―とシャサーニュの畑を取得。当初より生産地認証やその土地特有の重要性を説き、1923年には自家での瓶詰を開始しました。その後甥のフィリップ・シャペルがサントネ―の1級畑などを取得し、徐々に畑を広げていきました。後を継いだ息子のロジェ・シャペルがアロース・コルトン、ムルソー、ラドワの畑を取得し、1960年以降は全てのワインを自家で瓶詰できるようになりました。1988年に現当主のフランソワとイヴェットが経営に携わり、2009年にポマールにも畑を取得。1994年からは除草剤の使用をやめ、2003年の時点で完全にオーガニックでしたが、2006年に認証を取得しました。息子のシモンが2015年からドメーヌに参加し、2017年に共同経営者に加わりました。父フランソワの後を引き継ぐ準備をしています。
ぶどうを選別する様子
シャペル家のフィロソフィー
現当主のフランソワは自分の代になり、農薬や化学肥料を使用した慣行農業で栽培していても解決できない様々なことが起きているのを目の当たりにしました。
知らない害虫が殺虫剤を使う前と同じくらい繁殖したり、除草剤を使用しても耐性がついた枯れない雑草が出現したり、出来上がったワインの酸度が下がったり・・・。
様々な解決方法を調べていたところ、土壌の重要性に気がつきました。
その結果、その土地の特徴を十分にワインに反映させるためには、様々な生命の営みを尊重することが必要という結論に至り、オーガニック農業への転換を決意しました。
化学物質の使用をやめてから、誰が飲んでも違いが分かるくらいに味わいに変化が出たことを実感できました。ぶどうがいつもちゃんと熟すようになり、畑ごとの違いもはっきりと出るようになりました。品質においても、天候が悪い年と良い年の差がどんどんなくなってきているように感じています。
その反面、収量については悪い年はかなり減ってしまっているそうです。特に2012年はかつてない悪天候に見舞われて収穫量が80%も減り、50樽できるところが3樽しかできなかったとのこと。
「オーガニックをやめようと思わなかったか?」と尋ねたところ、「今までオーガニックでやってきたことを捨てることはできなかったし、家族みんなで続ける決断をした。」とのこと。
毎年変化する厳しい気候の中でも、最高品質のブルゴーニュワインを造ることに心血を注いでいます。
地域について
サントネ― プルミエクリュの畑(畑の入口には鎖がかけられています)
<地域について>
ワインラバーなら知らない人はいない、フランスの銘醸地『ブルゴーニュ地方』。フランス東部に位置し、北のシャブリから南のボージュまで、250kmに渡りぶどう畑が広がります。
シャペル家は世界中のワイン愛好家が絶賛する、優れた赤ワインと上品で繊細な白ワインが産出されるコート・ド・ボーヌに複数の畑を持っています。
シャペル家が所有する格付
地方名
Bourgogne(ブルゴーニュ)
村名
- Santenay(サントネ―)
- Ladoix(ラドワ)
- Pommard(ポマール)
- Meursault(ムルソー)
- Aloxe-Corton(アロース コルトン)
1級畑
- Santenay 1er Cru(サントネ― プルミエクリュ)
- Chassagne-Montrachet 1er Cru(シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ)
- Aloxe-Corton 1er Cru(アロースコルトン プルミエクリュ)
栽培品種
シャペル家収穫風景(ピノノワール)
黒ぶどう品種のピノノワール、白ぶどう品種のシャルドネとアリゴテを栽培しています。ブレンドはせずに単一品種(モノセパージュ)で醸造します。
特別商品 サントネー プルミエクリュ ボールペール 2006
Santenay 1er Cru BEAU REPAIREの畑
畑名「ボールペール」は、フランス語でBEAU(ボー)=美しい、REPAIRE(ルペール)=(野獣などの)隠れ場やすみか、という意味です。
フランソワさん曰く、サントネーで最も美しい隠れ場的な存在なので、このような名前が付いたとのこと。
村を眺められる高台にあり、太陽の光がたっぷりと当たる理想的な傾斜地で、小石が沢山混じる養分を蓄えた1級畑です。
今回分けていただいたヴィンテージ2006年は、シャペル家が正式にオーガニック認証を取得したメモリアルイヤーとなります。ボールペールの生産量はとても少なく、繊細でエレガントな仕上がりが特徴です。18年の熟成を経た味わいをぜひお楽しみください。
2006年について
<天候>
7月の暑さは2003年の記録的な猛暑を予感させたが、8月に入って急に気温が下がり、雨が多く湿度が上がるなど難しい状況が続いた。幸いにも9月の第2週から天候が回復した。
<収穫>
収穫は9月21日にサントネー プルミエクリュの区画から始まり、10日間続いた晴天と北風に恵まれた。その結果、高い糖度と非常に良い酸を持つすばらしいヴィンテージとなった。
<テイスティングノート>
フルーティでしなやか、肉付きがよく、若いうちから飲む喜びを与えてくれる。2005年ヴィンテージのような複雑さはないが、ピノ・ノワールは素晴らしい驚きを与えてくれる。
<地図でみる ブルゴーニュワインからの「2006年」紹介文抜粋>
まさに「うっとり」という表現がぴったりのヴィンテージ。平年とはかなり違った難しい天候の年で、収穫量が極めて少なかったものの、仕上がった貴重なワインの出来は素晴らしいものになった。
出典:地図でみるブルゴーニュ・ワイン(早川書房)